人を好きになる練習をしようと思う

 先日仕事で知り合った人とランチを共にする機会がありまして、その人の語った内容が自分の人生観と全然違って面白かったので自分用メモ。
 (うんうん唸りながら記事にしてたらランチの日から2ヶ月くらい経ってしまいました)

 見た目が佐久間まゆにそっくりなので仮にマユさんと呼びます。性格は全然似てないです。

 マユさんは大学時代にある分野で結果を出したのち新卒で電通に入り、数年間様々なプロジェクトに携わった後「もっと手の届く範囲の人を笑顔にしたい」という理由でベンチャーに転職。年収は400万下がったけど毎日充実していて楽しい! と言っていて、私だったらどんなに仕事が楽しくても年収が400万下がったことを大したことじゃないみたいに言えないな……と価値観の違いを感じたのを覚えています。
 毎晩仕事仲間と飲み歩いたり休日には趣味の集まりに出かけたりと、マユさんは本当の意味での「リアルが充実している人」で、根暗おたくな私とは住む世界が違うなというのが第一印象でした。歳はそう変わらないのに私より何段も上の人生のステージにいて、きらきら眩しい人。「こちら側」ではない人。

 ひょんなことから読書が趣味なマユさんと好きな作家の傾向が似ていることがわかり、「明日ランチ行こ!!」と半ば強引な形でご飯に誘われ(根暗なので断れない)、楽しみな反面溢れ出るパリピオーラにびくびくしていました。
 実際のところマユさんはBBQと飲み会とカラオケが大好きなパリピではあるものの、一対一でお話ししてみると明るく気持ちの良い人で多方面に造詣が深く、話していてとても楽しかったです。当時の私は自分の進退や人生にうじうじと悩んでいたのですが、知り合って間もない私の話を真摯に聞いてくれて非常に助けになりました。そしてすっぱり仕事を辞めました。(この話はまたの機会に)

 働くということに関して自分の中でいろいろ思うところがあり、最近様々な人に「働いてお金を稼ぐことのモチベーションはなんですか?」と質問しているのですが、マユさんの答えは「仕事が楽しい。自分の働きで大きなプロジェクトが動いて、結果が数字として出てくるのが面白くて仕方がない」でした。
 趣味のため~とか家族のため~みたいな答えが帰ってくることが多かったので(それが悪いとかいう話ではない)、仕事自体が楽しいという答えは公務員だった私にとって新鮮でした。私も今後そう思える仕事に出会えるかな~出会えたらいいな~。
「お金を稼ぐということ」についてもずっと考えているので、これも後々記事にまとめたいなと思っています。


 私が飲み会や人の集まるイベントが苦手でなかなか交流を広げられないという話をしたら、その気持ちもわかると肯定してくれたうえでこう言われました。


「私は人が大好き。人間が大好き。相手のことをもっとよく知りたいと思うし、だから飲み会やカラオケに誘う。仲良くなってみると、悪い人ってそうそういないんだよね」


 私はオタクが使う「一般人」という言葉の差別的なニュアンスがあまり好きではないんですけど、自分が今まであまり深い仲ではない人に対して同じ姿勢をとっていたことに、マユさんの言葉のおかげで気づくことができました。
 あの人とは考え方が合わなさそう、住む世界が違う、趣味の領域が違う……等、「見える範囲」だけで相手を決めつけて、相手を知ろうとする努力を放棄していました。ネットでもリアルでも。
 
 「あなたのことをもっと知りたい」という姿勢でマユさんが普段から人と接しているからこそ、職場の隅っこにいた地味で目立たない私をランチに誘ってくれたんだなぁと思うと、不甲斐ないやら嬉しいやらで不思議な気持ちになりました。
 私もいつか食事に誘う側になりたいです。

 他人のことを知ろうとする努力を怠ってきたばかりに、この歳になって自分から他人に歩み寄る方法がわからなくなってしまった。
 少し前から新しい環境に身を移したので、これを良い機会だと思って練習していけたらなと思っています。