連休と選択的引きこもりの話

 秋は祝日が多くていいですね。


 長いお休みが明けるとよく訊かれる、非常に答えにくい質問。

「連休は何して過ごしたの?」

 朝から掃除をしたり溜まったタスクを片付けたりちょっと凝った料理を作ったりゲームをしたりごろごろしたり……
わたしの中では非常に充実した盛りだくさんの時間を過ごしているのですが、それをひとつひとつ説明するとちょっと面倒くさい人になってしまう。
いろいろと考えを巡らせた末に、結局「家でゆっくり過ごしました」の一言で済ませます。

 そうすると返ってくる答えが、

「なんで!? もったいない!」

 何をもって「もったいない」と評しているのか不思議ですが、こう言われると悪いことをしているわけではないのに首をすくめてしまいます。
 旅行に行かないのか、映画を見に行かないのか、テーマパークに出かけないのか。
 外の世界に出かけることも綺麗になった部屋でおいしい手料理を食べることもわたしにとっては同じ娯楽で特に優劣はないので、連休明けにあまり親しくない人と話す機会があるといつも少し緊張してしまいます。

 わたしはこの三連休、人と会ったりほんの少し遠出をしたり、いつもの自分よりちょっとだけアクティブに行動しました。
 その反動がきたので今週はできる限り引きこもる予定です。

人を好きになる練習をしようと思う

 先日仕事で知り合った人とランチを共にする機会がありまして、その人の語った内容が自分の人生観と全然違って面白かったので自分用メモ。
 (うんうん唸りながら記事にしてたらランチの日から2ヶ月くらい経ってしまいました)

 見た目が佐久間まゆにそっくりなので仮にマユさんと呼びます。性格は全然似てないです。

 マユさんは大学時代にある分野で結果を出したのち新卒で電通に入り、数年間様々なプロジェクトに携わった後「もっと手の届く範囲の人を笑顔にしたい」という理由でベンチャーに転職。年収は400万下がったけど毎日充実していて楽しい! と言っていて、私だったらどんなに仕事が楽しくても年収が400万下がったことを大したことじゃないみたいに言えないな……と価値観の違いを感じたのを覚えています。
 毎晩仕事仲間と飲み歩いたり休日には趣味の集まりに出かけたりと、マユさんは本当の意味での「リアルが充実している人」で、根暗おたくな私とは住む世界が違うなというのが第一印象でした。歳はそう変わらないのに私より何段も上の人生のステージにいて、きらきら眩しい人。「こちら側」ではない人。

 ひょんなことから読書が趣味なマユさんと好きな作家の傾向が似ていることがわかり、「明日ランチ行こ!!」と半ば強引な形でご飯に誘われ(根暗なので断れない)、楽しみな反面溢れ出るパリピオーラにびくびくしていました。
 実際のところマユさんはBBQと飲み会とカラオケが大好きなパリピではあるものの、一対一でお話ししてみると明るく気持ちの良い人で多方面に造詣が深く、話していてとても楽しかったです。当時の私は自分の進退や人生にうじうじと悩んでいたのですが、知り合って間もない私の話を真摯に聞いてくれて非常に助けになりました。そしてすっぱり仕事を辞めました。(この話はまたの機会に)

 働くということに関して自分の中でいろいろ思うところがあり、最近様々な人に「働いてお金を稼ぐことのモチベーションはなんですか?」と質問しているのですが、マユさんの答えは「仕事が楽しい。自分の働きで大きなプロジェクトが動いて、結果が数字として出てくるのが面白くて仕方がない」でした。
 趣味のため~とか家族のため~みたいな答えが帰ってくることが多かったので(それが悪いとかいう話ではない)、仕事自体が楽しいという答えは公務員だった私にとって新鮮でした。私も今後そう思える仕事に出会えるかな~出会えたらいいな~。
「お金を稼ぐということ」についてもずっと考えているので、これも後々記事にまとめたいなと思っています。


 私が飲み会や人の集まるイベントが苦手でなかなか交流を広げられないという話をしたら、その気持ちもわかると肯定してくれたうえでこう言われました。


「私は人が大好き。人間が大好き。相手のことをもっとよく知りたいと思うし、だから飲み会やカラオケに誘う。仲良くなってみると、悪い人ってそうそういないんだよね」


 私はオタクが使う「一般人」という言葉の差別的なニュアンスがあまり好きではないんですけど、自分が今まであまり深い仲ではない人に対して同じ姿勢をとっていたことに、マユさんの言葉のおかげで気づくことができました。
 あの人とは考え方が合わなさそう、住む世界が違う、趣味の領域が違う……等、「見える範囲」だけで相手を決めつけて、相手を知ろうとする努力を放棄していました。ネットでもリアルでも。
 
 「あなたのことをもっと知りたい」という姿勢でマユさんが普段から人と接しているからこそ、職場の隅っこにいた地味で目立たない私をランチに誘ってくれたんだなぁと思うと、不甲斐ないやら嬉しいやらで不思議な気持ちになりました。
 私もいつか食事に誘う側になりたいです。

 他人のことを知ろうとする努力を怠ってきたばかりに、この歳になって自分から他人に歩み寄る方法がわからなくなってしまった。
 少し前から新しい環境に身を移したので、これを良い機会だと思って練習していけたらなと思っています。

「行けたら行く」を「行けない」という意味で使っていたあの頃に戻りたい

仲の良い友達との待ち合わせだから少しくらい遅刻してもいいや。
前日夜更かしして体調がよくないから今日の約束はキャンセル。
予定はないけど面倒だから遊びの誘いを断ろう。


+++


「就活生へ」という名目で大人たちがアドバイスをしているのを見て、そういう季節になったことに気づきました。
大人が年下にアドバイスしたがるのは、今日という日までに多くの「こうすればよかった」という後悔を抱えているからで。
あの頃に戻れるならやり直したいと思うことがそれはそれはたくさんあるのです。

私がもしもやり直せるならあらゆる全てに対して不誠実だった数年前に戻りたいです。

まあ実際それが無理なことは重々承知しているので、今は少なくとも目の前のことには誠実であろうと努力しています。
人と積極的に会うとかおすすめされたものをすぐ試してみるとか時間は守るとか。当たり前のことですけれども。

【12/19】IIDX24 SINOBUZ所感

前作よりもかなりプレイ回数が減って200回ちょっとくらいでした。
デフォルト曲のSeaside LabyrinthやAmazing Mirageがすごく好きで稼働直後はかなりハイペースでプレイしていたんですけど、おにぎりを貯めるイベントあたりから失速しだして、七鍵伝のあたりではもう完全にノスタルジアに浮気してました。ノスタルジア楽しいからしょうがないね。
隠し曲がいつもより多い気がしたんですけど毎作こんな感じでしたっけ。スローペースだったせいで後半はほとんど解禁できずに終わってしまいました。

PENDUALで初めて九段を取って以来ずっと万年九段なので今作こそは十段とるぞ!って毎回思うのに、なぜかそこから上手くならなければ下手にもならず2年半経ちました。過去に相互ライバルだった人たちは気づけば皆伝やら中伝やら……時間に取り残されつつ相変わらず自分なりに楽しいペースでプレイしています。
社会人になり結婚して、足繁くゲームセンターに通っていた大学生の頃よりはずっとプレイ頻度は減ってしまいましたが、それでも音ゲーは大切な趣味です。
今年は音ゲー関係で新しい縁があったのも嬉しかったです。

DPだって始めたいしSPもできれば上手くなりたい。そういう思いはあっても他にもやりたいことがたくさんあって、昔に比べると自分の中での優先順位が落ちてしまったのを感じます。それはいいことでも悪いことでもあるんですけど。
事あるごとに1日が50時間くらいあればいいのになぁってぼやいてます。

最近おうちマニアの環境を少しだけ整えてCSEMPをぽちぽち叩いてるので、次作は「現状維持」からちょっとだけ上達できたらいいなと思います。

【12/18】『かがみの孤城』辻村深月

電車の車内広告で紹介されているのを見て、そういえば2017年中に読んだ本で一番のヒットだったなと思い出したので。

かがみの孤城

かがみの孤城

あなたを、助けたい。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。(Amazonの内容紹介より)


不登校の主人公とそれに似た環境を持つ子どもたちが、鏡を抜けた先にあるお城の中で「鍵」を探す。
「鍵」を見つけた一人はなんでも好きな願いを叶えてもらえる。
イムリミットは3月31日まで。それまでに見つけられなければ、全員の記憶からお城での出来事が消されてしまう。

「何らかの理由で学校に行けない子どもたち」というリアルさと「鏡の向こうにある城での生活」というファンタジー要素が絶妙に混ざり合い、どこか冷たくて重苦しい調子で物語は進んでいきます。
この描き方は辻村さんの作品によく見られるもので、彼女の言うSF(すこし・ふしぎ)な感じです。

中学生にとっての学校は自身の世界のほとんどを占める場所で、そこに馴染めないのはまさに世界から爪弾きにされたようで絶望的だと思います。
「環境に適応できない」ことにおいては、社会人のほうがよっぽど逃げ場があるんですね。休職なり転職なり引越しなり。
私自身、ちょうどこの本を読み始めたのが諸事情で休職した直後だったので、逃げ道が用意されていることのありがたさを感じました。
主人公が「平日の昼間に家にいること」について罪悪感で苦しむシーンで共感しすぎてうんうん頷いてしまいました。世間の人々が学校やら会社やらに行っている時間を一人きりで過ごすのは、想像していた以上に苦痛なものなのです……。

仕掛けられたトリックは種明かしの前になんとなくわかってしまうのですが、終盤に向けて二重三重に伏線が回収されていきクライマックスに突入する様は圧巻です。主要な登場人物としては一見多すぎる7人の子どもたちも、ひとりひとりがしっかりと役割を持ち物語のキーになります。
ミステリー的な謎解きよりも、丁寧なキャラクター描写や思春期の揺れ動く気持ちの表現がこの小説の魅力です。同著者の他作品のようなどんでん返しのような驚きはありませんが、読み終わったあとに「素敵なお話を読んだなぁ」と温かい気持ちが残りました。

そしてこの『かがみの孤城』、装丁がとても素敵なんです。タイトルの部分がホログラムの箔押しになっていて、少し厚みのある本なので存在感があります。『はてしない物語』のハードカバー版を手に取ったときと同じ気持ちです。
生きていることが苦しい、なんとなく生きづらさを感じている、そんな人に読んでほしいと思います。

【12/15】超簡単に鶏ハムを作ろう

自炊初心者の人向けにきちんと記事を書こうと思ってるんですけどそれはそれとして。
庶民の味方、鶏の胸肉を超簡単にジューシーで激ウマな鶏ハムにします。胸肉は安いけどパサパサで苦手……って人にこそ作ってほしいです。
材料も少ないうえ、冷蔵庫で保存すれば3~4日ほどは大丈夫なので普段自炊しない人にもおすすめです。

材料

  1. 鶏胸肉 1枚
  2. 砂糖・塩 それぞれ約大さじ1弱くらい 適当でOK
  3. ラップ 
  4. 鍋にたっぷりのお湯
  5. (お好みで)胡椒・ハーブソルトなど

①胸肉の皮を取り、砂糖→塩の順番ですりこむ

鶏皮はハムにするときは不要なので取っちゃってください。捨てるのがもったいないって人は小さく切って塩胡椒で炒めるだけで簡単なおつまみになります。
必ず砂糖→塩の順番で塗ってください。こうすることで鶏肉から水分が逃げにくくなり、食感がしっとりしたハムになります。
生肉を触る前後はしっかり手指を洗って消毒してください。肉や魚を調理するときに切り開いた牛乳パックの上で作業すると、あとでまな板を消毒する手間がなくなるので楽ちんです。

②密封し、放置

塩と砂糖を刷り込んだ胸肉を密閉して冷蔵庫へ。ビニール袋に入れて口を結んだり、お皿に置いてラップを張ったり、とにかく密封できればなんでもいいです。
半日~一日ほどおくと旨味が増しますが、すぐに食べたい場合は20分くらいでも大丈夫です。胸肉から水が出るので気をつけてください。

③胸肉を流水で洗い、ラップで巻いて形作る

そのままハムにしてしまうとしょっぱすぎるので、ここで軽く塩抜きをします。
胸肉を洗ったらラップの上に広げ、隙間ができないように外側からくるくると巻いていき、キャンディーの形になるように整えます。胡椒やハーブソルトを使いたいときは巻く前にお肉全体にまぶします。
ラップの片方を結んだりゴムで留めたりして固定し、そちら側を下にしてとんとんと押し付けると綺麗な形になります。反対側も留めてキャンディーの形になったら、茹でるときに水が入らないように改めてもう一周ラップで巻いておきます。ここまででほぼ完成!

④鍋にたっぷりお湯を沸かし、③を投入

必ずお肉がしっかり浸かるくらいのたっぷりのお湯に入れてください。湯量が少ないと中まで火が通りません。
お肉を入れたあとにもう一度沸騰したら火を止め、お湯が冷めるまで放置します。

⑤完成!

冷めたら取り出して切ってみるとあら不思議、お店で出て来るようなハムになっています。
しっとり柔らかでおいしいです。少ししょっぱいので酒の肴にもどうぞ。

お肉を巻くときにねぎや塩レモンや食べるラー油、たらこなどを挟むことでいろいろなバリエーションを楽しむことができます。
私はハムの中と外に粗挽き胡椒をがっつりまぶすのが好きです。スパイシーになります。
胸肉はどこでも安く手に入るし特別な材料も使わないのでぜひ作ってみてください。

【12/14】断捨離をしたときの話

大学4年生の8月、就職が決まったのをきっかけに大規模な断捨離を決行しました。
環境をリセットしたくて洋服も書籍もオタクグッズも思い切ってどんどん処分しました。まだ着られそうな洋服や人気のあるグッズはメルカリやオタマートに出品し、一定期間売れなかったら潔く捨てていました。翌年の引越し費用に充てられるくらいには結構な額になったうえに、物が減ったことでスムーズに実家を出られて一石二鳥でした。

巷で話題になっているように、断捨離をしたことで運気が上がったとか良い縁があったとかそういうスピリチュアルな目立って良いことはないのですが、一度物をがっつり減らしたことで毎日穏やかに過ごせるようになった気がします。持ち物を厳選し、気に入ったものだけに囲まれて暮らすのはとても居心地がいいです。
人からプレゼントされた、間に合わせで買ってずるずる使い続けている、そういう理由で「なんとなく」捨てられないものを決断的に処分するのが大切でした。

あとは物が減ったことで掃除機をかけたり棚を拭いたりするのが楽になり、掃除すること自体が好きになりました。今では暇さえあればトイレを磨いたり床を拭いたりしています。
ひどかった猫アレルギーとハウスダストアレルギーもこまめに掃除することでだいぶ改善しました。毎日鼻水をずるずるしながら公務員試験の勉強をしていたのでもっと早く掃除に目覚めていれば……とちょっとだけ後悔しています。

来年の春にまた引っ越しを考えているところなので、年末の大掃除でもう一度持ち物を見直してみようと思っています。
断捨離で運気が上がって年末ジャンボ当たらないかな~。